今回は購入時(※売却時はまた後ほど)の仲介手数料値引業者についてお話しします。
『当社は仲介手数料半額でやります』、『当社は仲介手数料1%です』といった仲介手数料値引きを大々的に打ち出す不動産業者が増えてきております。諸費用を抑えたいからと言って、それに飛びついてしまう方も多いのではないでしょうか。
仲介手数料値引きを大々的に掲げる不動産業者は、大きい会社ではなく、中小の会社がほとんどです。ネームバリューと安心感といったところで、大手の不動産業者に勝てず、集客力が弱いので仲介手数料値引きを謳って、集客をしていると言うことになります。
そういった値引業者に不動産購入の依頼をした場合、諸費用を抑えられるメリットはありますが、下記のようなデメリット(リスク)もあります。
<①内覧したい物件がなかなか見にいけない>
見たい物件の内覧の調整がなかなかできないといったことが、しばしば起こります。なぜかと言うと、物元業者(物件をオーナーから預かっている業者)が故意に内覧させないようにすることがあるからです。
不動産業者同士の力関係について説明すると、物件をオーナーから預かっている業者(物元業者)の方が、物件を預かっていない業者(客付業者)より力関係が上になります。なので客付業者は物元業者の物件に案内するときは、『案内する』と言うよりも『案内させてもらう』と言う感覚です。
物件を多く持っている不動産業者は大手がほとんどです(オーナーからすると大手だから安心と言った心理があるようで、物件は大手に偏ります)。大手ほど仲介手数料値引を嫌がる傾向にあるので、大手の不動産業者は仲介手数料の値引業者を嫌っているところも多いです。
『売主が今週末は出張でいないから案内できない』とか『売主の子供が風邪を引いたから、案内できない』とか適当な理由を付けて、値引業者の案内を断ったりします。
値引き業者は、自社ではあまり物件を預かっていないので、他社の物件を見に行くと言うケースが大半なため、『見たい物件が3件あるのに、今週は1件しか見れない』なんてことも良くあります。物件の内覧がスムーズに進まないっていうリスクがあります。
<②有利な条件で買えない可能性がある>
上記にもあるように、物元業者(特に大手)は仲介手数料値引業者を嫌っているので、申し込みをもらっても積極的に話をまとめようとはしない傾向にあります。特に価格交渉なんかは物元業者が操作して、価格交渉に応じないなんてこともあります(売主は下げても良いと思っていても)不人気な物件であれば話は別ですが…
<③気に入った物件が買えなくなる可能性が高くなる>
不思議なことに、申し込みは重なることが結構あります。3ヶ月動きがなかったのに、急に3組のお客様から申込が入るなんてこともあります。
申し込みが重なった時に、売主が最終的にはどの方と契約するかを判断しますが、話の持って行き方次第で、物元業者の方でコントロールできちゃうのが実情です。
物元業者の優先順位としては、自社のお客様>他社(値引業者以外)のお客様>他社(値引業者)のお客様となりますので、当然申し込みが重なると買える可能性は低くなります。
■仲介手数料値引業者でお得に購入するには?
→上記3点のリスクは物元業社が1社のみの場合(専任媒介契約)になります。インターネット上に複数社で掲載されている物件に関しては、売主が複数社と契約しているケース(一般媒介契約といいます)が大半なので、上記3点のリスクは、ほぼなくなりますので、値引業者での購入がお得になると思います。また、インターネット上に長期間掲載されている物件に関しても、物元業社が『早く売ってしまいたい』と言う心理が働くので、同様にリスクは低いかと思います。
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